請求書の封筒の書き方はこれで完璧!折り方や入れ方の基礎知識や請求書の電子化についても解説

請求書の封筒の書き方はこれで完璧!折り方や入れ方の基礎知識や請求書の電子化についても解説

請求書を発送する際、封筒の書き方や入れ方はそれで合っていますか?

封筒にも正しい記載方法というものがあります。例えば、封筒の裏面に継ぎ目がある場合とない場合とでは書き方も異なります。

今一度、請求書の折り方や封筒への入れ方、そして正しい記載方法を確認しましょう。

石動総合会計法務事務所代表 石動龍様

【この記事の監修者】
石動龍

石動総合会計法務事務所代表

青森県八戸市在住。公認会計士、税理士、司法書士、行政書士。読売新聞社記者などを経て、働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格。ドラゴンラーメン(八戸市)店長、ワイン専門店 vin+共同オーナー、十和田子ども食堂ボランティアとしても活動している。趣味はブラジリアン柔術(黒帯)と煮干しラーメンの研究。2021年中の不動産業開業が目標。
公式サイト
ツイッター

請求書の封筒の書き方

重要なビジネス書類を発送する際は、封筒に情報を正確に記載する必要があります。
記載を怠ったりミスをしたりすると、発送しても届かないなどの郵便事故につながる恐れがあるだけでなく、取引先企業からの印象も悪くなります。
封筒の表面、裏面への情報の記載方法を正しく知り、完璧な封筒を作り上げましょう。

表面の書き方

表面には取引先企業の所在地、部署や担当者名、添え字の情報を記載します。

宛先の会社の所在地

取引先企業の所在地は、郵便番号の枠の右端から1文字分スペースを空けて記入します。
都道府県は郵便番号が記載されていれば郵便局でわかるため、間違いなく配達はできるのですが、省略することなく丁寧に記載しましょう。

宛先の会社名や部署・担当者

会社名や部署、所在地は文字の大きさを揃えて書き、担当者名は封筒の中央に大きな字で書きます。
位置は所在地の書き出しから1文字分下げたところから記載し、「株式会社」などの法人格は省略することなく書きましょう。
会社名や部署名のみの場合には「御中」と敬称をつけますが、担当者名も記載する場合、会社名や部署名に敬称はつけず、担当者名のあとに「様」をつけます。

「請求書在中」の添え字

必ず書くものではありませんが、重要書類が入っているとひと目でわかるように「請求書在中」と添え字を付けるのがマナーです。
これにより、ダイレクトメールと間違われることなく、開封が遅れる危険性が少なくなります。
縦向きの封筒なら左下、横向きの封筒なら右下に、黒色や青色のスタンプまたは手書きで記載します。赤色のインクやボールペンは、赤字を連想させるため避けましょう。

裏面の書き方

封筒の裏面には、以下の送り主の情報を記載します。

  • 送り主の所在地
  • 送り主の会社、氏名
  • 送付日
  • 封じ目〆

郵便番号は枠があればそこに、ない場合は所在地の上に横書きで記入し、送付日は裏面の左側上部に記載するのが一般的です。
請求書は重要な書類のため、誰にも開封されていないという証明となる封じ目は忘れずに入れましょう。封じ目は「〆」のほか「封」や「緘」などがありますが、どの場合でも封をした境目の中央にバランスよく書きましょう。
また、裏面に記載する情報は、継ぎ目の有無によって書き方が異なります。

裏面に継ぎ目がある場合

封筒の裏面に継ぎ目がある場合、継ぎ目を境にして右側に所在地、所在地の上に郵便番号を書きます。
継ぎ目の左側には会社名、部署名、氏名の順に書いていきます。左側上部に送付日を書くのも忘れないようにしましょう。
ただし郵便番号の枠が印刷してある場合、継ぎ目があっても所在地、会社名や氏名は左側に寄せて記載しますので注意してください。

裏面に継ぎ目がない場合

裏面に継ぎ目がない場合、郵便番号や所在地、氏名、送付日はすべて左側に寄せます。郵便番号の枠がある封筒に関しては、その中に正しく記載しましょう。

請求書を入れる封筒について

請求書を入れる封筒について

封筒にはさまざまな種類がありますが、重要書類である請求書の送付に使う封筒にはどれが適しているのでしょうか。封筒のサイズや色、種類について見ていきましょう。

請求書を入れる封筒のサイズ

請求書を送付する際に使う封筒としては、長形3号(長3)と角形2号(角2)の規格の封筒を使うのが一般的です。
長形3号はA4サイズの書類を三つ折りで入れられ、角形2号はA4サイズの書類をそのまま入れられます。
角形2号の封筒にそのまま請求書を入れる際は、配達時にこすれたり雨でぬれたりするのを避けるため、クリアファイルなどに挟みましょう。
封筒の色に決まりはなく、茶色のクラフト封筒でも問題ありませんが、請求書が入っているとひと目でわかる白色や薄い青色の封筒を使用するとよいでしょう。

請求書を入れる封筒の種類

サイズや色の違いのほか、あらかじめ封をするための、のりやテープがついているものや、宛名の部分が空いている窓付き封筒があります。
のりやテープがついていることで封入作業の負担を軽減できますし、窓付き封筒は宛名を書いたり宛名シールを貼ったりする手間が省けます。
また、通常の封筒の厚さだと請求書の中身が透けて見えてしまう場合は、裏地付きの封筒を使いましょう。

請求書の封筒への折り方と入れ方

請求書の封筒への折り方と入れ方

封筒のサイズが長形3号の場合、A4サイズの書類は三つ折りにして入れますが、請求書の折り方や入れ方にも気をつけなければいけない点があります。
請求書の折り方や入れ方と送付方法について見ていきましょう。

請求書の折り方

請求書は一般的には横書きで作成します。
三つ折りにする場合、開いたときに「請求書」と表題が一番上にくるように、最初に下から折ったあと、均等に上から折りましょう。
送付状も同じく丁寧に三つ折りし、開いたときに「拝啓」を最初に読んでもらえるよう請求書の上に重ねます。

封筒への入れ方

封筒への入れ方は封筒を裏返しにし、三つ折りにした請求書の上端が右にくるようにして差し込みます。
三つ折りにしているのでわかりにくいですが、封筒への入れ方は封筒を裏返しにし、書類の上端が右に来るようにして差し込みます。こうすることで書類を開いたときに「拝啓」「請求書」の文字を最初に確認できます。
一度に複数の企業に請求書を送る場合、間違えないように特に注意が必要な部分なので、見直しとともに封筒と請求書の宛名が一致していることを確認しておきましょう。

請求書の封筒の送付方法

請求書は郵便法および信書便法上の「信書」にあたるため、原則として普通郵便で送付します。
信書とは「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書」です。
信書である請求書は、宅配便やゆうパック、ゆうメールでは送れないため注意しましょう。

請求書を電子化する方法がある

請求書を電子化する方法がある

宛名や差出人の書き方、折り方や封筒への入れ方など、請求書の発送にはさまざまなマナーが存在します。
どれも受け取る取引先企業からの印象に影響する重要なものなので、封筒に関する基礎知識を身につけるところから始まり、慣れるまで一つ一つ確認が必要となります。
請求書の送付は、取引が発生し紙の請求書が作成されると、必ず誰かがおこなわなければならない作業ですが、その負担を軽減するために、請求書を電子化する方法があります。
請求書の電子化とは、紙で作成していた請求書をPDFファイルなどの電子データで作成することで、メールへの添付やクラウドサービス上での送付を可能にすることです。

請求書を電子化するメリット

請求書を電子化するメリット

請求書を電子化することには、さまざまなメリットが存在します。ひとつひとつ確認していきましょう。

メリット1.電子化により単純作業に取られる時間が削減できる

ここまで見てきたように、請求書を作成したあとも、封筒への宛名の書き方、折り方や封入の仕方に気を配ったり、郵便局へ持ち込んで発送するといった煩わしい作業が必要です。
請求書を電子化することで、封筒を使った郵送作業をなくせるため、作業時間の削減につながります。

メリット2.封筒代や郵送コストが無料になる

請求書を電子化しデータで送ることで、紙の請求書を送るために必要な封筒代や郵送代といったコストが無料になります。
電子請求書を受け取る企業もメールやクラウドサービスを利用しなければならないので、切り替え時に難色を示される場合もあります。しかしすべての取引先が電子化に対応しなくても7~8割の取引先が対応すれば、大幅な経費削減につながります。

メリット3.作業の場所を選ばない

電子化した場合、インターネットに接続できる端末とインターネットができる環境があれば請求書の作成や送付がおこなえるため、出社する必要がなく作業の場所を選びません。
新型コロナウイルス感染拡大によりテレワークが推進されている現在の状況で、自宅でも作業できるのは大きなメリットとなりますね。

請求書の電子化で郵送作業の手間を省こう

請求書の電子化で郵送作業の手間を省こう

日本では新型コロナウイルス感染拡大により2020年4月から急速にテレワークの導入が進み、在宅勤務者が増える中でペーパーレス化の動きが急速に拡大しています。
加えて2023年10月からは請求書の記載事項が変わる「インボイス制度」が始まることが決まっており、今後請求書関連の作業負担が増える可能性も出てきています。
郵送作業の負担軽減や経費の削減などのメリットも考え、請求書の電子化について検討を始めてみてはいかがでしょうか。

<この記事のポイント>

  • 請求書の発送にはさまざまなマナーがある
  • 封筒への書き方、入れ方、折り方、送り方などに注意を

注目の記事