三文判ってどんなハンコ? 認印・インキ浸透印との違いや用途を解説
三文判の「三文」には、「価値が低い」という意味があります。つまり三文判とは、安価な印鑑のことを指します。では「認印を押してください。三文判で構いません」と言われたとき、あなたはすぐに何を指しているか分かりますか?
今回は、三文判とは何かや認印・インキ浸透印との意味の違い、向いている用途などについて詳しく解説します。意外と迷ってしまう捨て方も、この機会にぜひ覚えておきましょう!
三文判とは?
三文判とは、大量生産された安い印鑑のことです。100円ショップなどでも手に入ります。
三文は、現在の価値に換算すると数十円程度。三文判以外にも「三文芝居」「三文小説」「二束三文」のように、「価値が低い」という意味を表す言葉に使われています。
三文判と認印・インキ浸透印との違い
「認印」とは、印鑑登録がなされていない、普段使いの印鑑を指します。用途としては社内文書や回覧板への確認印、宅配便の受取時など、重要書類以外で使われることが多いです。また認印は、三文判が用いられるケースが多いです。
一方「インキ浸透印」とは、印鑑のタイプを指す言葉です。インクが内蔵された印鑑の通称で、三文判とは違ってゴム面で作られています。朱肉につけなくても鮮明に押印できて便利です。近年、安価に手に入るようになりました。
三文判を使うメリット・デメリット
三文判のメリット・デメリットをそれぞれまとめました。
メリット:安くてすぐ手に入る
三文判のメリットは何といっても安いことで、100円前後から購入できます。ハンコ店・スーパー・文具店・100円ショップなど、売っているお店も多いです。安価で手軽に買えるため、急に印鑑が必要になったときもすぐに入手できます。
デメリット:耐久性が低く、なりすましのリスクも
三文判は安い分、プラスチックといった摩耗しやすい素材で作られているため、耐久性に欠けます。大量生産であるがゆえに同じ印鑑を簡単に入手され、なりすまし被害に遭うリスクも。セキュリティー上の問題から、実印や銀行印には向かず、プラスチックやゴム製、インキ浸透印を使用できない銀行や自治体もあります。
三文判の用途は? 実印に使える?
三文判が向いている用途や、実印・契約印として使えるかを解説します。
サイン代わりの印鑑に最適
三文判は、社内文書や回覧板の確認印、宅配便の受取印などのようにサイン代わりとして使うのに適しています。大量の書類を確認しなければならないときは、一枚一枚サインを書き込むより三文判のほうが早いです。
実印登録も可能。ただし危険性は高い
ゴム印以外の三文判を実印とし、印鑑登録することは可能です。しかし、自治体によっては、大量生産された印鑑の登録は認めないところもあります。また、他の人が既に同じ印影で実印登録している場合は、同じ印影を登録することができません。
何よりも、同じ印鑑を第三者が入手しやすい三文判を実印とするのは、とても危険です。銀行からお金を引き出されたり、土地などの高額取引に使用されるなど、大きな損害を受ける可能性があります。
契約書に使用できる?
三文判は、同じ印鑑を訂正印として使われてしまえば、内容の改ざんが容易になります。重要書類に三文判を使うのは避けるようにしましょう。
三文判を認印として使う場合、適正サイズは?
認印は、実印や銀行印よりも小さいサイズで作られることが一般的です。しかし、一般的には重要書類に押印する機会は少ないので、それほどサイズについて気にする必要はありません。
目安は、直径9~13.5mmの丸印。社内の書類等で確認欄に収める大きさがよい場合もあるので、小さいサイズがおすすめです。
持ちやすさを考慮して、好みのサイズを選ぶのもよいでしょう。
三文判はどこで購入できる?
三文判は、ハンコ店・スーパー・文具店・100円ショップ・ホームセンターなど、さまざまな場所で購入できます。珍しい名字や複数本欲しい場合は、ハンコ店で作ってもらうか、オンラインショップで購入するのがおすすめです。オンラインショップは即日配送に対応していることも多く、早く手に入り便利です。
サインより早い!三文判を便利に活用しよう
三文判とは、ハンコ店やスーパーなどで売られている大量生産された安い印鑑のことを指します。同じ印鑑の入手が容易なため、実印として使うのはやめましょう。確認印や受取印として、サイン代わりに使用することをおすすめします。
<この記事のポイント>
- 三文判は、大量生産された安価な印鑑のこと。インキ浸透印も安ければ三文判といえる
- 社内文書の確認・宅配便の受取など、サイン代わりの使用にぴったり
- 三文判を実印にすると、同じ印鑑を使ったなりすまし被害のリスクがある